「.htaccess」ファイル

.htaccessは、サーバーの動作をお客様のご希望に合わせて設定したい時に使用します。

.htaccessの実体は単純なテキストファイルです。ファイルはテキストエディタで作成出来ます。 一定の書式に従って設定したい内容を記述し、作成したファイルに「.htaccess」という名前を付けてサーバーに転送すると、 転送したディレクトリと、そのサブディレクトリ内にあるすべてのファイルに対して記述した内容が適用されます。

お使いのコンピュータのOSがWindowsの場合は、テキストファイルを作成すると自動的に「.txt」という拡張子が付けられてしまい、 ファイル名が「htaccess.txt」になってしまう場合があります。この様な場合はファイル名を変更してからサーバーに転送するか、 そのまま転送を行ってからFTPソフトでサーバー上のファイルのファイル名を「.htaccess」に変更して下さい。 「.htaccess」以外のファイル名では正しく動作しません。

記述出来る内容は、WWWサーバープログラム「Apache」に組み込まれているモジュールと、 サーバー側で許可されている項目によって制限されます。Apacheについて詳しいお客様は、以下の情報をご参考にご利用下さい。

当該サーバのApacheには、以下のモジュールが組み込まれております。

mod_env
mod_log_config
mod_mime
mod_negotiation
mod_status
mod_include
mod_autoindex
mod_dir
mod_cgi
mod_asis
mod_imap
mod_actions
mod_userdir
mod_alias
mod_access
mod_auth
mod_setenvif

また、使用が許可(AllowOverrideディレクティブで許可)されている項目は以下の3項目です。

AuthConfig
Limit
Fileinfo

上記の条件に該当するディレクティブであれば、.htaccessファイルの中に記述してご利用頂く事が出来ます。

「.htaccess」ファイルの具体的な記述例を以下に記載しておりますので、記述方法がご不明な場合はこちらを参考にして下さい。

パスワード認証によるアクセス制限
正しいIDとパスワードを入力しないとページの内容をブラウズ出来ない様にする方法です。

まず、認証に使用するためのパスワードファイルを作成して頂く必要がございます。UNIXのhtpasswdコマンドなどでパスワードファイルを作成して下さい。
１行につき１組のIDとパスワードを記述すれば、複数のIDとパスワードを登録する事も可能です。
作成したテキストファイルに任意の名前を付け、保存して下さい。

パスワードファイルの用意が出来たら、テキストエディタで以下の内容の「.htaccess」ファイルを作成して下さい。

AuthUserFile ￣/（IPアドレス）/home/（パスワードファイル）
AuthName     （任意のメッセージ）
AuthType     Basic
<Limit POST GET>
require user （ID）
</Limit>

（IPアドレス）の部分にはお客様のIPアドレスを記述して下さい。

（パスワードファイル）の部分にはパスワードファイルを置くディレクトリと パスワードファイルのファイル名を記述して下さい。

（任意のメッセージ）の部分にはIDとパスワードを入力するダイアログボックスに 表示させるメッセージを記述して下さい。

※メッセージにスペースが含まれない場合はそのままメッセージを記述して頂いても問題はありませんが、 スペースを含むメッセージを記述する場合は、文字列を「"」（ダブルクォーテーション）で括って下さい。 スペースを含むメッセージをそのまま記述すると、エラーになってしまいダイアログボックスが表示されません。

（ID）の部分にはパスワードファイルを作成する際に指定したIDを記述して下さい。 複数のIDを指定する場合は以下の様に半角スペースで区切ってIDを記述して下さい。 （「user1」「user2」「user3」の３つのIDを記述する場合の例です。）

require user user1 user2 user3

また、パスワードファイルに書かれているすべてのIDを指定したい場合は この行全体を「require user （ID）」ではなく、「require valid-user」と記述して下さい。

例えば、IPアドレスが123.123.123.123で、 「user1」というIDを指定して作成した 「.htpasswd」というファイル名のパスワードファイルを /home/member に置く場合は「.htaccess」ファイルを以下の様に記述します。

AuthUserFile ￣/123.123.123.123/home/member/.htpasswd
AuthName     "Input ID and Password."
AuthType     Basic
<Limit POST GET>
require user user1
</Limit>

この「.htaccess」ファイルと「.htpasswd」ファイルを/home/memberに転送して ブラウザでhttp://（お客様のドメイン名）/member/を開くと、 「Input ID and Password.」というメッセージが書かれたダイアログボックスが表示されます。 転送した「.htaccess」ファイルと「.htpasswd」のパーミッションは必ず604(rw----r--)に設定して下さい。

アクセス元のサイトによるアクセス制限
特定のサイトからアクセスした場合、ページの内容をブラウズする事が出来ない様にする方法です。

ある特定のサイトからのアクセスを拒否し、その他のサイトからのアクセスを許可する場合は 以下の内容の「.htaccess」ファイルを作成して下さい。

<Limit POST GET>
order allow,deny
allow from all
deny from （ドメイン名またはIPアドレス）
</Limit>

逆に、ある特定のサイトからのアクセスを許可し、その他のサイトからのアクセスを拒否する場合は 以下の内容の「.htaccess」ファイルを作成して下さい。

<Limit POST GET>
order deny,allow
deny from all
allow from （ドメイン名またはIPアドレス）
</Limit>

（ドメイン名またはIPアドレス）の部分には対象とするサイトのドメイン名またはIPアドレスを記述して下さい。

ドメイン名で記述する場合は「.inet.or.jp」と記述すると、 ドメイン名の最後が「.inet.or.jp」となっている全てのサイトを対象とする事が出来ます。

IPアドレスで記述する場合は「123.123」と記述すると、 IPアドレスの最初が「123.123」となっている全てのサイトを対象とする事が出来ます。

例えば、ドメイン名の最後が「inet.or.jp」となっている全てのサイトと、 IPアドレスが「123.123.123.123」のサイトからのアクセスを拒否し、 その他のサイトからのアクセスを許可する場合は「.htaccess」ファイルを以下の様に記述します。

<Limit POST GET>
order allow,deny
allow from all
deny from .inet.or.jp
deny from 123.123.123.123
</Limit>

この「.htaccess」ファイルを/home/secretに転送すると、http://（お客様のドメイン名）/secret/と その中のディレクトリおよびファイルに対して設定した内容が有効になります。 転送した「.htaccess」ファイルのパーミッションは必ず604(rw----r--)に設定して下さい。

MIMEメディアタイプの追加
初期状態ではホームページのデータとして認識されないタイプのファイルを認識させる方法です。

ホームページ上でデータファイルを使用するためには、そのデータファイルについてのMIMEメディアタイプを サーバーに設定しておく必要があります。HTML文書やGIF形式の画像ファイルなど、一般的によくホームページで使用される データファイルのMIMEメディアタイプはあらかじめサーバーに設定されていますが、 MIMEメディアタイプが設定されていないファイルをホームページ上でご利用頂く場合は、 「.htaccess」ファイルにMIMEメディアタイプの追加設定を記述してサーバーに転送して下さい。

MIMEメディアタイプを追加する場合は、「.htaccess」ファイルを以下の様に記述して下さい。

AddType （MIMEメディアタイプ） （拡張子）

（MIMEメディアタイプ）の部分には追加するファイルのMIMEメディアタイプを記述して下さい。

（拡張子）の部分には追加するファイルの拡張子を記述して下さい。 例えば、Macromedia FreeHandというアプリケーションソフトで作成した、 拡張子が「fh4」になっているデータのMIMEメディアタイプを追加する場合は「.htaccess」ファイルを以下の様に記述します。

AddType image/x-freehand fh4

この「.htaccess」ファイルを/home/freehandに転送すると、/home/freehandとその中のディレクトリにある 拡張子が「fh4」のファイルがFreeHandのデータとして認識されます。

また、SSIファイルの拡張子に標準の「shtml」だけではなく「html」も使用したい場合は、 「.htaccess」ファイルを以下のどちらかの形で記述します。

• 記述方法1

  AddType text/html .html
  AddHandler server-parsed .html

• 記述方法2

  AddType text/x-server-parsed-html .html

この「.htaccess」ファイルを/homeに転送すると、/home 以下のディレクトリにある、 拡張子が「html」のHTMLファイルでSSIがご利用頂ける様になります。 転送した「.htaccess」ファイルのパーミッションは必ず604(rw----r--)に設定して下さい。

/cgi-binディレクトリへのHTML・画像ファイル等の設置
/cgi-binディレクトリにHTMLファイルや画像ファイルなどを置き、そのファイルをブラウザから直接参照出来る様にする方法です。

当該サーバーは、初期状態ではCGIの実行ファイルとHTMLファイル・画像ファイルなどその他のデータファイルを それぞれ別々のディレクトリに置いて頂く様になっていますが、 以下の書式に従って作成した「.htaccess」ファイルを/cgi-binディレクトリに設置すると /cgi-binディレクトリ内にHTMLファイルや画像ファイルを置き、そのファイルをブラウザから表示させる事が出来る様になります。

AddHandler server-parsed （拡張子）

例えば、拡張子が「.html」および「.htm」のHTMLファイルと、拡張子が「.gif」および「.jpg」の画像ファイルを/cgi-binディレクトリ内に 置く場合の「.htaccess」ファイルの内容は以下の様になります。

AddHandler server-parsed .html .htm .gif .jpg

指定した拡張子のファイルはCGIを通してではなく直接参照する事が出来る様になりますので、 内容をそのまま公開したくないファイルがある場合は十分ご注意頂いた上でご利用下さい。

弊社では上記の内容の「.htaccess」をご利用になった事により万一お客様に何らかの損害が生じた場合でも一切の責任を負いかねますので、 あらかじめご了承下さい。セキュリティを重視される場合は、上記の記述はご利用にならない事をお勧め致します。

また、上記の.htaccessを使用しても/cgi-binディレクトリ内に置いたHTMLファイルの中でSSIを使用する事は出来ません。 SSIを記述したHTMLファイルは/homeディレクトリ内に置いてご利用下さい。

アドレスの転送
あるファイル（URI）にアクセスした時に、自動的に他のアドレス（URL）にアクセスさせる方法です。

http://（ドメイン名）/ というアドレスをトップページとしてご利用になる場合、 トップページのファイル名は /home ディレクトリに index.html・index.htm・index.shtml しか使用出来ませんので、 通常はHDMLファイルやCGIをトップページにする事が出来ません。
しかし、以下の内容の「.htaccess」ファイルを/homeディレクトリに設置すると http://（ドメイン名）/ にアクセスが行われた時に自動的に他のアドレスにアクセスが行われますので、 HDMLファイルやCGIなど、任意のファイルをトップページとして表示させる事が出来ます。

Redirect アクセスされるファイル（URI） 転送先のアドレス（URL）

例えば、ドメイン名が inet.or.jpの場合に、トップページとして /cgi-bin ディレクトリ内の「index.cgi」を使用する時の 「.htaccess」ファイルの内容は以下の様になります。

Redirect /index.html http://www.inet.or.jp/cgi-bin/index.cgi

また、/home ディレクトリ内の「index.hdml」を使用する場合の「.htaccess」ファイルの内容は以下の様になります。

Redirect /index.html http://www.inet.or.jp/index.hdml